刺激的なタイトルを付けてしまいました。
“こんな人”とは・・・実は半分以上の人が当てはまるかもしれません。
「いやいや、ぜひ推薦入試を受けましょう、と煽ったのはアンタやないか!」
おっしゃるとおりです。
私はこのサイトで、
「受験資格があるならばぜひ推薦入試を受けるべきだ」
と主張してきました。でも私の中では矛盾しているわけではありません。
覚悟はあるか?推薦入試にはデメリットもある
これまで推薦入試のメリットを挙げてきましたが、デメリットが無いわけではありません。例えば、
- 推薦入試が気になって、理科など他教科の勉強がおろそかになってしまう。
- 推薦入試が終わってから合格発表までの間、勉強が手につかない。
- 残念な結果に終わったとき、立ち直れず勉強が手につかない・・・など
そういった場合、「ああ・・・この子は推薦入試を受けない方が良かったのかも・・・」と思ってしまいます。
ただ、これらは想定しておくことが可能で、心構え次第でマイナスの影響を少なくすることが出来ます
推薦入試を受験するにあって、覚悟しておいて欲しいことをこの記事にしました。
推薦入試を受けることを決めた人が後悔しないよう、お役に立てればと思っています。
推薦入試にすべてを賭けてはいけない
推薦入試を受験する生徒や保護者の中に、次のような主張をする人がいます。
「私(の子ども)は、一般入試ではとうてい合格は望めません。だから推薦入試に賭けるしかないのです。早く推薦入試の対策をスタートしたいのです。対策講座はありますか?久留米医学部の推薦入試対策だけやりたいのです!個別指導でも何でもやります!」
・・・ギクリとした人もいるのではないですか?残念ながらこんな人は、予備校や塾にカモにされるでしょう。
「ありますよ、推薦対策講座。高3からでは遅すぎますよ。今からなら個別指導もつけた方がいいでしょう。とにかく推薦入試の対策だけやりましょう・・・」
予備校や塾の返答はこんな感じでしょうか。
もちろん勉強するのですから、それらの講座や個別指導すべてが無駄なわけではありません。
しかし、あなたの望むままに商品を紹介することが、本当にあなたの為なのでしょうか。
合格する人は一握りしかいない
まず冷静になりましょう。
推薦入試の競争率を見て下さい。
平成31年度 | 平成30年度 | 平成29年度 | |
一般推薦入試 | 10.4倍 | 12.7倍 | 9.0倍 |
地域枠推薦入試 | 6.2倍 | 7.7倍 | 5.4倍 |
推薦入試は、一般入試に比べれば合格しやすい試験です。しかしそれでも競争率は5〜10倍。つまり、5倍なら5人のうち4人、10倍なら10人のうち9人は落ちるのです。
推薦入試を受験した人のうち、8割〜9割の人は残念な結果に終わる。
この現実を受け入れましょう。
合格する人はこんな人
私の経験では、推薦入試で合格している人は例外なく頑張っている人です。
推薦入試に失敗したとしても、「この調子で頑張ればひょっとして一般入試で受かるかも・・・」と思わせる人たちです。
「私も推薦入試に向けて、英語と数学を頑張ってるよ」
そうではないのです。
合格していく人たちは、理科などの推薦入試に出ない教科も頑張っているのです。
推薦入試は一つの大きなチャンスですが、唯一のチャンスとは思っていないのです。
推薦入試が残念な結果に終わっても、そのまま一般入試で頑張ろうという気概を持って頑張っているのです。
戦う前から負けている人
「推薦入試しかないのです。推薦入試に賭けます。推薦入試の対策だけやりたいのです。」
そんな風に公言することは恥ずかしくないですか。
「一般入試では合格する自信がありません」
そんな人は戦う前から負けているのです。予備校講師や塾の講師はプロですから、そんなことを口にする人を見たらこう思います。
「ああ、この子は今年の合格はないな。とりあえず浪人確定か・・・」
もちろん口には出しません。せっかくのお客さんに、よけいなことを言う必要はありません。うまいこと言って推薦対策を受けさせればいいのです。それがビジネスと言うものです。
しかし、あえて私は言います。
「合格する自信がある奴なんかどこにもいない。いるのは合格したい奴だけだ。そして、合格するのは、”何が何でも合格したい”奴だ。」
うまい抜け道などない。愚直であれ。
推薦入試を、実力が無くても入れるうまい抜け道だと思ってはいませんか?そんな近道はありません。
「合格したいなら合格するためには何をすればいいかを考えろ。そして実行しろ。そこに近道なんかない。」
抜け道を探したり、一発逆転をねらうようなことはすべきではない。
ただひたすら愚直にやるべきことをやるしかないのです。
目的と手段を明確に
当面の目的を確認しましょう。「なるべく早く久留米大学医学部に合格すること」ですよね。「推薦入試に合格すること」ではありません。推薦入試は目的を達成するための手段です。
一般入試を受けることも、手段です。合理的に考えれば、秋に推薦入試、翌年春に一般入試を受験する人が大半です。そこまで(場合によっては浪人することも含めて)考えて、勉強の計画は立てるべきです。
推薦入試の対策は3年生からでも間に合う
私の考えでは、推薦入試の対策は3年生になってからでも十分間に合うと思っています。
対策としては、推薦入試の過去問を解いたり、予備校・塾の推薦対策講座を受講することになるかと思います。
しかし、決してそれのみになってはいけません。
学校の勉強も、理科も数3も、必死でやりましょう。一般入試で合格するために。具体的には、夏休みくらいまではこの調子でいいでしょう。
推薦入試が近づくにつれ、少しずつ理科と数3のウェイトを軽くしていきます。
さすがに試験直前の1〜2ヶ月は、推薦一色になるのもやむを得ません。
その程度の期間,理科や数3から離れても大丈夫なくらいに、しっかりと勉強しておくのです。
もちろん、推薦入試が終わり次第、理科と数3を含めて一般入試の勉強を再開します。
過ぎたことはくよくよしない。前を向こう。
推薦入試が終わってから合格発表まで2週間ほどあります。
この期間、勉強が手につかないひとがいます。気持ちは分かりますが、合理的に考えればバカげたことです。
結果がどうあれ、結果に対してできることはもうありません。
合格しているかどうか、悶々としてもどうにもなりません。もう推薦入試は終わったのです。
考えるべきことは、次の一般入試に合格するためには何をすればいいか、であり、すぐにでも勉強すべきです。
ところが、発表までぐずぐず言って勉強は手につかず、落ちたら落ちたで「傷ついた」などといって落ち込んで勉強が手につかない人がいるのです。
何を甘えたことを言っているのでしょうか。
そもそも、推薦入試は受けても合格できる人は少ないと分かっていたはずじゃないですか。
不合格になることくらい、当然起こり得ることとして想定していて当然でしょう。
頑張れば合格できるとでも思っていたのでしょうか。うぬぼれるのもいい加減にしなさい。
厳しい言い方をすれば、こんな感じでしょうか。
試練は人を強くする
そんなに厳しい言い方しなくても・・・という意見があるのは分かります。
しかし、最近の若い人は現実の厳しさを理解していない人が余りにも多いと思います。
親に守られて育ってきたためでしょうか、口では受験の厳しさを知ってるようなことを語りますが、心の奥底では、でもこれだけ頑張れば合格できる、という甘い、そして根拠のない自信を持っているように見えます。
合格したい気持ちがどんなに強かろうと、自分の中ではどんなに頑張っていようと、合格点に1点足りなければ不合格です。努力賞も何もない、ただの不合格です。
合格したければ、次の一般入試、それもダメならば次の試験・・・と何度倒されても立ち上がるボクサーのように、合格するために戦い続けるしか、合格する道はないのです。
これが現実です。
保護者の方々の中には我が子かわいさのあまり、厳しさと直面しないよう、周りの環境を整えてしまいがちな方がいらっしゃいます。
しかし、受験することで子どもたちは、否応なく現実の厳しさと対峙せざるを得ません。
そしてそれは、見ていて辛いことではありますが、子どもが強くなるチャンスでもあるのです。子どもが、きっと試練を乗り越えてくれることを信じましょう。
頑張るあなたにエールを送ります
最後にまとめましょう。
こんな人は推薦入試を受けてはいけません。
- 推薦入試のみに賭けている人
- 推薦入試の試験日から合格発表日まで、そわそわして勉強が手につかない人
- 推薦入試が不合格になると、落ち込んで勉強が手につかなくなる人
この記事では、ちょっと厳しいことを書いてしまいました。不愉快な思いをされた方がいらっしゃるかも知れません。申し訳ありません。
ぜひ、自分が挑んでいる壁が厳しいものであること、そしてそれでも挑戦する意志があるのか、自分の内なる声に耳を傾けて欲しいと思います。
そして、それでも医師を目指して頑張るのであれば・・・私は喜んで応援したいと思っております。