2021年度(令和03年度)入試の数学の出題範囲が変更されたのはなぜか

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こんにちは!元気が出る数学サポートコーチ,長宮慶次です。

2021年度(令和03年度)の久留米大学医学部入試において,出題範囲が変更になったのは知っていますか?

その変更が意味するものを考えてみました。よかったら参考にして下さい。

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変更されたのはどこか

まず,出題範囲が変更されたのはどこか,確認しておきましょう。久留米大賀のWEBサイトへのリンクを貼っておきます。

「2021年度 医学部医学科入学者選抜における出題科目等について(予告)」

2021年度入試における変更点は,まとめると2点です。

  1. 数学Bの範囲に「確率分布と統計的な推測」が加わる
  2. 物理の範囲に「原子」が加わる

数学Bの範囲に「確率分布と統計的な推測」が加わる

推薦入試・一般入試ともに変更となりました。

これまでの出題範囲と比べてみましょう。

  • (変更前)数学Ⅰ,Ⅱ,A,B(数列,ベクトル)
  • (変更後)数学Ⅰ,Ⅱ,A,B

数学Bの教科書には,「数列」「ベクトル」「確率分布と統計的な推測」の3つがあります。

そして高校では,この3つのうち2つを選択して教えることとなっています。

3つとも教えている高校もあるかもしれませんが,おそらくほとんどの高校では「数列」と「ベクトル」を授業で行っており,「確率分布と統計的な推測」については触れられていないと思います。

これまではほとんどの受験生に関係がなかった「確率分布と統計的な推測」を,2021年度入試からは出題範囲に加えたことになります。

物理の範囲に「原子」が加わる

一般入試の出題範囲が変更されました。推薦入試で理科は出題されません。

  • (変更前)(1)物理基礎・物理(”原子”の章・編を除く)
  • (変更後)(1)物理基礎・物理

つまり,これまでは出題範囲から「原子」の範囲を除いていたけれど,2021年度入試からは加える,ということですね。

出題範囲が変更されたのはなぜか

なぜ2021年度久留米大学医学部入試で出題範囲が変更されたのでしょうか。

推測してみましょう。

数学で”期待値”の問題が出題されるかも?

おそらく可能性が高いのはこれでしょう。

以前の教科書では”期待値”は数学Aの範囲に入っていました。そのころの確率の問題といえば,最後に「期待値を求めよ」とあるのは普通のことでした。

しかし現行課程になってから,”期待値”は数学Bに移ってしまいました。そのため,現在では入試で”期待値”の問題を出題する大学は一部の大学のみとなっております。

そのため,現在の高校生に「期待値って知ってる?」と聞いても,「いえ知りません」「聞いたことはあるけど詳しくは知りません」と答える人が大半です。

しかし,入試問題を作成する教授の世代では,確率といえば期待値,とセットになっているでしょう。

問題作成をするに当たって,いい問題を思いついたとしても,「ああ,”期待値”は範囲外なので出題してはいけないのだった・・・」とボツにしたことも何度かあったに違いありません。出題範囲外の問題を出題すると,全国から抗議の電話が殺到しますからね。

しかし今回のように出題範囲を変更しさえすれば,”期待値”の問題を出題しても批判されることはありません。

“期待値”が出題されることは,かなり可能性が高いと踏んでいます。

統計の”確率分布””標準化””検定”などが出題される?

数学Aの「データの分析」と数学Bの「確率分布と統計的な推測」はつながっていて,統計学の入門となっています。

これまでは数学Aの「データの分析」は出題範囲だけど,数学Bの「確率分布と統計的な推測」は出題範囲ではありませんでした。

そのため,統計学としてみた場合,最初の語句の定義などは勉強するものの,さあこれから統計の面白いところだぞ,というところで終わっています。統計学の面白さが感じられにくいものとなっています。

このことは,問題作成者の立場から見れば,統計の問題を作ろうとすると,かなり縛りがきついものとなってしまいます。本来ならば面白い問題も作成することは可能なはずなのに,出題範囲が限定されいるため,似たような問題しか作成できないのです。

でも今回のように出題範囲を広げたことで,問題作成の幅が広がりました。

これまでの過去問では見られなかった問題が出題される可能性は高いでしょう。

具体的には「確率分布」「標準化」「検定」あたりが可能性が高いと思います。面白いところですからね。

物理では”原子”が出題される?

これも,問題作成の幅を広げたもの,と捉えればいいと思います。

もしかすると,問題作成者の得意分野なのかもしれませんね。

縛られずに問題を作成できる

問題を作成する立場になってみれば,細かい縛りがあるのはうっとうしいものでしょう。

高校の範囲で出題しなければならないことはわかりますが,さらにその中で「ここは出題していいけれどここは出題できません」など言われたらめんどくさいことこの上ない。調べるのもめんどくさいし。

だったらいっそのこと,全範囲にしておこう!となるのは自然な流れだと思います。

これまでとあんまり変わらない可能性もありますが,受験生としては,どんな問題が出題されてもいいように幅広く勉強しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

何が出題されるのか,なんてことは分かりません。

しかし,過去問をやっても出会わないような問題が,2021年度入試では出題されるかもしれません。

もし上記のような範囲が出題されたとしたら,その対策をしていた受験生としていなかった受験生では,かなり大きな差となることでしょう。

この記事を見たあなたは,ぜひ対策しておいて下さい。

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