過去問で学ぶ推薦入試数学

平成30年度(2018)久留米大学医学部推薦入試数学過去問の解説授業(5/5)

この記事には,久留米大学医学部の過去問の詳しい解説が載っています。過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

平成30年度(2018)久留米大学医学部推薦入試数学[5]

点の座標を設定して、条件式を立てよう

まずやるべきことは,点の座標を設定することです。正方形\(\rm{ABCD}\)は\(1\)辺の長さが\(a\)と与えられているので,点\(\rm{A}\)の座標を決めれば,他の3点は自ずと決まります。

正方形の1辺の長さは\(a\)なので,点\(\rm{A}\)の座標を\(\rm{A}\)\((p,~0)\)とすると,他の3点は\(\rm{B}\)\((p+a,~0),~\rm{C}\)\((p+a,~a),~\rm{D}\)\((p,~a)\)となる。

次に,問題文から条件式を立てます。

また,各頂点の\(x\)座標が\(0 \lt x \lt 7\)の範囲にあるので

\begin{align*} 0 \lt a \lt 7~~\text{かつ}~~0 \lt p+a \lt 7 \quad \cdots [1] \end{align*} 点\(\rm{D}\)は曲線\(y=-\displaystyle \frac{1}{60}x(x-7)(x+7) \)上にあるので \[ a=-\displaystyle \frac{1}{60}p(p-7)(p+7) \quad \cdots [2] \]
ここまでは前もって式を立てておきましょう。これに,各問題の条件を加えて解いていくことになります。

(1)\(\quad ~a=2\)とする。\([2]\)より

\begin{align*} -\displaystyle \frac{1}{60}p(p-7)(p+7)=&2 \\ -p(p^2-49)=& 120 \\ p^3-49p+120=& 0 \\ (p-3)(p-5)(p+8)=& 0 \end{align*}

\(\quad \)\([1]\)を満たすのは\(p=3\)のみである。

したがって,\(\rm{C}\)\((5,~2) \cdots \text{(答)}\)

\(a=2\)のときなので,\([1]\)は

\begin{align*} 0 \lt& p+2 \lt 7 \\ \therefore 0 \lt& p \lt 5 \end{align*}

これを満たすものを選ぶので,\(p=3\)となります。聞かれているのは\(~\rm{C}~\)の座標です。ここで\(p=3\)と答えたり,\(\rm{D}~\)の座標を答えたりしていないでしょうか。答えを出したら,必ず問題文の問いを見返し,整合性を確認しましょう。

最後の条件確認は,面倒だが大切なこと

(2)は3次関数の最大値の問題なので,微分して増減表を書いて調べることになります。ただ,最後に条件を確認するのは,意外と面倒です。

(2)\(\quad ~~\)正方形の面積が最大となるのは,正方形の1辺の長さ\(a\)が最大となるときである。[1],[2]をともに満たす\(a\)の最大値を求める。

\(f(x)=-\displaystyle \frac{1}{60}x(x-7)(x+7) \)とおくと

\begin{align*} f'(x)&=-\displaystyle \frac{1}{60} \left\{ (x-7)(x+7)+x(x+7)+x(x-7) \right\} \\ &=-\displaystyle \frac{1}{60}(3x^2-49) \end{align*}

\(\quad 0 \lt x \lt 7\)の範囲で\(f'(x)=0\)として\(x=\displaystyle \frac{7}{\sqrt3}.\)

増減表は

\begin{array}{c|ccccc} x & 0 & \cdots & \displaystyle \frac{7}{\sqrt3} & \cdots & 7 \\ \hline f’(x) & & + & 0 & – & \\ \hline f(x) & & \nearrow & f\left( \frac{7}{\sqrt3} \right) & \searrow & \end{array}

増減表を書いた後,\(p=\displaystyle \frac{7}{\sqrt3}~\)が条件を満たすかどうか,確認しなければなりません。

条件[1]のうち,\(0 \lt a \lt 7~\)を満たすことはすぐにわかりますが,\(0 \lt p+a \lt 7~\)についてはどうでしょうか。満たしているかどうか,すぐにわかりますか?。

\(p=\displaystyle \frac{7}{\sqrt3}~\)のとき,\(a=f\left( \frac{7}{\sqrt3} \right)=\displaystyle \frac{343 \sqrt3}{270}~\)です。つまり,\(\displaystyle \frac{7}{\sqrt3}+\displaystyle \frac{343 \sqrt3}{270}~\)が\(~7~\)より小さいことを示すことになります。

\begin{align*} \displaystyle \frac{7}{\sqrt3}+\displaystyle \frac{343 \sqrt3}{270}=&\displaystyle \frac{7\sqrt{3}}{3}+\displaystyle \frac{343 \sqrt3}{270} \\ =&\displaystyle \frac{630\sqrt{3}+343 \sqrt3}{270} \\ =&\displaystyle \frac{973\sqrt{3}}{270} \\ =& 6.241 \cdots \end{align*}

よって条件を満たすことがわかります・・・でも\(~\displaystyle \frac{973\sqrt{3}}{270}~\)の計算は,めんどくさくないですか?

ちょっとテクニカルですが,次のように計算を少なくして示すこともできます。 \begin{align*} \displaystyle \frac{973\sqrt{3}}{270} \lt \displaystyle \frac{1000 \times 1.75}{250} =\displaystyle \frac{1750}{250}=7 \end{align*}

そこで模範解答は,グラフを使って条件を領域で示してみました。すると,\(p\)は\(x\)座標,\(a\)は\(y\)座標なので,\(0 \lt p+a \lt 7~\)は\(~xy~\)平面で考えれば不等式\(~0 \lt x+y \lt 7~\)すなわち\(~-x \lt y \lt -x+7~\)を満たす領域であることが分かります。

ということは,\(p=\displaystyle \frac{7}{\sqrt3}~\)が条件を満たすかどうかは,極大点が領域内にあるかどうかを確認することになります。

\(\quad\)また,\(~[1]\)より点\(\rm{D}\)が存在する領域は\( 0 \lt x \lt 7,~-x \lt y \lt -x+7 \)を満たす領域であるから,点\(\rm{D}\)の軌跡は下図のとおり。

したがって,正方形の面積が最大となるときの辺の長さは

\begin{align*} a&=f\left( \frac{7}{\sqrt3} \right) \\ &=-\displaystyle \frac{1}{60} \cdot \displaystyle \frac{7}{\sqrt3} \left( \displaystyle \frac{7}{\sqrt3}-7 \right) \left( \displaystyle \frac{7}{\sqrt3}+7 \right) \\ &=-\displaystyle \frac{7^3}{60} \cdot \displaystyle \frac{\sqrt3}{3} \left( \displaystyle \frac{1}{\sqrt3}-1 \right) \left( \displaystyle \frac{1}{\sqrt3}+1 \right) \\ &=-\displaystyle \frac{7^3}{60} \cdot \displaystyle \frac{\sqrt3}{3} \left( \displaystyle \frac{1}{3}-1 \right) \\ &=\displaystyle \frac{343 \sqrt3}{270} \cdots \text{(答)} \end{align*}

曲線\(~y=-\displaystyle \frac{1}{60}x(x-7)(x+7)~\)と直線\(~y=-x+7~\)との位置関係は,連立して交点の\(~x~\)座標を求めることでわかります。

\begin{align*} -\displaystyle \frac{1}{60}x(x-7)(x+7)=& -x+7 \\ x(x-7)(x+7)=& 60(x-7) \\ (x-7) \left\{ x(x+7)-60 \right\}=& 0 \\ (x-7)(x-5)(x+12)=& 0 \\ x=& -12,~5,~7 \end{align*} 条件の確認をしていなくても答え\(~a \text{の値}\)は同じです。しかし記述式の問題なので,最後の条件確認を怠った答案は,減点される可能性が高いと思います。注意しましょう。

この問題のポイント

振り返ってみましょう。

この問題が解けるかどうかのポイントは、

  • 点の座標を設定できるか
  • 条件式を立てることができるか
  • 増減表を書いてグラフの増減を調べることができるか
  • 最後に条件を確認することができるか
  • といったところです。できなかったところがある人は,復習しておきましょう。
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