令和02年度(2020)久留米大学医学部推薦入試数学過去問の解説授業(3/5)

過去問で学ぶ推薦入試数学

この記事には,久留米大学医学部推薦入試過去問の詳しい解説が載っています。

過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

令和02年度(2020)久留米大学医学部推薦入試数学[3]

簡単な問題だけど,実数の範囲で解きましょう

等差数列\(\{a_n,~\}\)等比数列\(\{b_n\}\)について問題文の条件から式を立て,それぞれの一般項を求める問題です。よくある問題ですので,解法はすぐ分かると思います。まずは(1)の解答を見てみましょう。

  1. 等差数列\(\left\{a \right\} \)の初項を\(a,~\)公差を\(d\)とおくと, \begin{align*} a+5d=&11 \text{かつ} a+24d=49 \\ a=&1,~d=2 \\ \therefore a_n=&1+2(n-1)=2n-1 \quad \cdots \text{(答)} \end{align*}

    等比数列\(\left\{ b \right\} \)の初項を\(b,~\)公比を\(r\)(\(r\)は実数)とおくと,

    \begin{align*} br^2=&18 \text{かつ} br^5=486 \\ b=&2,~r=3 \\ \therefore b_n=&2\cdot 3^{n-1} \quad \cdots \text{(答)} \end{align*}

まあ難しくはないのですが,問題文にやや不満があります。本来なら「公比は実数である等比数列\(\{b_n\}\)」と書いておいて欲しいところです。

なぜなら,\( br^2=18\) かつ\(br^5=486 \)より\(r^3=27\)となりますが,これは範囲の指定がないのであれば複素数の範囲で解くことになり,実数解1つと虚数解2つが存在することになります。

しかし,解答欄は1つしかなく,形から実数解のことしか想定していない問題となっています。

学力が高い生徒ほど,虚数解まで求めてしまい,試験時間を浪費する可能性があります。

久留米大学は以前からこのような問題文の不備は多いです。注意しましょう。

大学側には問題作成についてもっと吟味して欲しいのですが,受験生としては「ああ,また出題ミスか」くらいでスルーするしかないでしょう。

(等差)×(等比)の和,ミスが多いところは決まっています

数列\(\{c_n\}\)は等差数列と等比数列の積の形をしています。このタイプの数列の和は,「かけてずらす」のがコツです。

ただ,手法は知っていてもミスなく計算するには,それなりの計算力が必要となります。

  • \(c_n=a_nb_n=2(2n-1)\cdot 3^{n-1}\)であるから, \begin{align*} S_n=& 2 \left\{ 1\cdot 1+3\cdot 3+5\cdot 3^2+7\cdot 3^3+\cdots +(2n-1)\cdot 3^{n-1} \right\} \cdots [1]\\ 3S_n=& 2 \left\{ \qquad \quad 1\cdot 3+3\cdot 3^2+5\cdot 3^3+\cdots +(2n-3)\cdot3^{n-1}+(2n-1)\cdot 3^{n} \right\} \cdots [2] \end{align*} \([1]-[2]\)より \begin{align*} -2S_n=& 2 \left\{ 1+2\cdot 3+2\cdot 3^2+2\cdot 3^3+ \cdots +2\cdot3^{n-1}-(2n-1)\cdot 3^n \right\}\\ S_n=& -\left\{ 2+2\cdot 3+2\cdot 3^2+2\cdot 3^3+ \cdots +2\cdot3^{n-1}-(2n-1)\cdot 3^n -1 \right\}\\ =& -\dfrac{2(3^n-1)}{3-1}+(2n-1)\cdot 3^n+1 \\ =& -(3^n-1)+(2n-1)\cdot3^n+1 \\ =& 2(n-1)\cdot3^n+2 \quad \cdots \text{(答)} \end{align*}
  • ミスが起きやすいのは2カ所です。

    まず\([1]-[2]\)の最後の項です。ここは引き算をしたのですから\(-(2n-1)\cdot 3^n\)とマイナスがつきます。マイナスをプラスにしてしまう人が多いので注意しましょう。

    次に\([1]-[2]\)の残りの項です。ここは等比数列の和の形になるのですが,第1項を含めるかどうか,考えなければなりません。

    今回の問題のように,そのままでは等比数列にならない問題もあるからです。

    その場合,第1項を外して計算するか,上記のように調整して計算する必要があります。

    等比数列の和の部分については,必ず項数を確認するようにしましょう。

    この問題のポイント

    振り返ってみましょう。

    この問題が解けるかどうかのポイントは、

    1. 一般項を求めるために連立方程式を立てることができるか
    2. 出題ミスに惑わされず,実数の範囲で解くことができるか
    3. (等差)×(等比)の形の数列の和を求める手法をミスなく使えるか
    といったところです。出題ミスはありましたが,定番の問題なので必ず得点できるように演習しておきましょう。

    ※誤植やミスを見つけた方は,ぜひお知らせください。

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