令和3年度(2021)久留米大学医学部推薦入試数学過去問の解説授業(5/5)

推薦入試

この記事には,久留米大学医学部推薦入試過去問の詳しい解説が載っています。

過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

令和3年度(2021)久留米大学医学部推薦入試数学[5]

新傾向!共通テストみたいな数列の問題

この問題にはびっくりしました。

先生と花子さんが会話しながら進んでいく,共通テストみたいな問題だったからです。

問題を作成するにあたって,最近の高校の状況などを調べている証拠です。とても誠実な対応である,と感服しました。

というのも,数年前までの久留米大学は,問題作成についてあまり誠実ではない,という印象が強かったからです。出題ミスを指摘してもそれを認めなかったり,同じミスを数年ごとに繰り返したり・・・。

しかしここ数年に関しては良い問題になってきましたし,今回の問題で誠実に作成されていることがわかりました。受験生にとってはとてもいいことだと思います。今後も期待しています。

ルールを読み取り,直線ごとに格子点を数える

\(x,~y~\)は0以上の整数である。\(x+y=k~(k=0,~1,~2,~\cdots)\)上の格子点の個数は\(~k+1~\)個であるから,\(x+y=n~\)までの格子点の個数は \begin{align*} \sum_{k=0}^{n}(k+1)=\frac12(n+1)(n+2) \end{align*} これを\(~T_n~\)とおく。 \((1)~\)ルール通りに番号をふっていくと図の通り。よって2番は点\((1,~0),~\)3番は点\((0,~1) \quad \cdots \textrm{(答)}.\) \((2)~\) \(x+y=40~\)までの格子点の個数は \begin{align*} T_{40}=&\frac12\cdot 41 \cdot 42 \\ =& 861 \end{align*} よって\(~x+y=40~\)上の最後の点は861番目の点\((40,~0)\)である。したがって\(~x+y=41~\)上の最初の点は862番目\(\quad \cdots \textrm{(答)} \)の点であり,その座標は\((41,~0)\)である。\\ 点\((20,~21)\)は\(~x+y=41~\)上の22番目の点であり, \begin{align*} T_{40}+22=& 861+22 \\ =& 883 \end{align*} であるから,点\((20,~21)\)は883番目\(\quad \cdots \textrm{(答)} \)の点である。

まずは,ルールを読み取りましょう。規則に従って番号をふっていくと,\(2,~3,~4\)番目あたりはすぐにわかりますね。

ただ,数が多くなってくると,具体的に書き並べるだけでは時間が足りません。何か手がかりはないでしょうか。

先生と花子さんの会話から,直線\(~x+y=41,~x+y=40~\)の上にある点について考えていることがわかります。

そこで,\(x+y=k~(k=0,~1,~2,~\cdots)\)上にある点を数えてみましょう。すると,\(k=0~\)のとき\(~1~\)個,\(k=1~\)のとき\(~2~\)個,\(k=2~\)のとき\(~3~\)個,\(\cdots \cdots ~\)となることから,直線\(~x+y=k~\)上にある点の個数は\(~k+1~\)個であることがわかります。

よって,\(x+y=n~\)までのすべての直線上にある点の個数を\(~T_n~\)とすると \begin{align*} T_n=&1+2+3+ \cdots +(n+1) \\ =&\sum_{k=0}^{n}(k+1) \\ =&\frac12(n+1)(n+2) \end{align*} となります。

花子さんの言葉に「\(x+y=40~\)の最後の点が何番目の点かがわかればいい」とありますが,これは\(~T_{40}~\)番目の点ですから,\(T_{40}=\frac12\cdot 41 \cdot 42 = 861~ \)番目の点とわかります。

直線\(~x+y=40~\)は,\(40~\)が偶数ですから,番号を右下がりに振っていくことになります。よって最後の\(~861~\)番は点\(~(40,~0)~\)です。

ということは,次の直線\(~x+y=41~\)の最初の点\(~(41,~0)~\)は\(~862~\)番であることがわかります。

直線\(~x+y=41~\)には番号を点\(~(41,~0)~\)から順に左上に振っていきますので,点\(~(20,~21)~\)は直線\(~x+y=41~\)の\(~22~\)番目の点です。よって\(~T_{40}+22=861+22=883~\)番目の点とわかります。

おおまかに近い数字を探す

\(x+y=62~\)までの格子点の個数は\(~T_{62}=\frac12 \cdot 63 \cdot 64=2016\)(個)なので,\(2021\)番目の格子点は\(~x+y=63 \quad \cdots \textrm{(答)} \)上にあり,\(x+y=63~\)上の最初の点\((63,~0)\)から数えて5番目の格子点である。よって\(2021\)番目の格子点の座標は\((59,~4) \quad \cdots \textrm{(答)} \)である。

次は\(2021\)番目の点ですが,どの直線上の点にあるかを考えます。そのために,\(T_n~\)のうち\(2021\)に近いものを探します。

すると\(T_{62}=\frac12 \cdot 63 \cdot 64=2016\)が見つかりますので,\(2021\)番目の格子点は\(~x+y=62~\)の次の直線\(~x+y=63~\)上の\(~2021-2016=5~\)番目の点です。

このあたりは,計算でスパッと出す,というより,泥臭く近い数字を探すことになります。整数を扱う問題では,こういう手を動かして考える,泥臭い手法も必要です。覚えておきましょう。

直線\(~x+y=63~\)には,点\(~(63,~0)~\)から順に左上に番号をふっていくので,求める\(~2021~\)番目の点は点\(~(59,~4)~\)であることがわかります。

具体的な数から一般化する

題意より,点\((2k,~0)\)の番号は\(~T_{2k}\),点\((2k+1,~0)\)の番号は\(~T_{2k}+1\)である。したがって求める和は \begin{align*} \sum_{k=0}^{n-1}\left\{ T_{2k}+\left( T_{2k}+1 \right) \right\} =&\sum_{k=0}^{n-1}\left( 2T_{2k}+1 \right) \\ =&\sum_{k=1}^{n}\left( 2T_{2k-2}+1 \right) \\ =&\sum_{k=1}^{n}\left( 2\cdot \frac12(2k-1)(2k)+1 \right) \\ =&\sum_{k=1}^{n}\left(4k^2-2k+1\right) \\ =&4\cdot \frac16n(n+1)(2n+1)-2\cdot \frac12n(n+1)+n \\ =&\frac13n(4n^2+3n+2) \\ =&\frac{4n^3+3n^2+2n}{3}\quad \cdots \textrm{(答)} \end{align*}

\(x~\)軸上の点\(~(0,~0),~(2,~0),~(4,~0),~ \cdots \)は,直線\(~x+y=0,~x+y=2,~x+y=4,~\cdots \)の最後の点(右端の点)ですから,振られた番号は\(T_0,~T_2,~T_4,~ \cdots \)です。よって,点\((2k,~0)\)の番号は\(T_{2k}\)であり,その隣の点\((2k+1,~0)\)の番号は\(T_{2k}+1\)です。

一般化していることがわかるでしょうか。具体的な数をいくつか調べることで,できるようになりますので,練習しておきましょう。

あとは,\(x~\)軸上の点を\(~(0,~0)~\)から順に二つずつ組にして足し合わせれば答えが出ます。計算の途中で,ミスをしないよう注意しましょう。

この問題のポイント

振り返ってみましょう。

この問題が解けるかどうかのポイントは、

  1. ルールを間違えずに読み取ることができる
  2. 直線ごとに点を数えることに気付くことができる
  3. 狙った数字に近い数字を探すことができる
  4. 具体的な数から一般化して考えることができる

といったところです。

数列が苦手な人には少し難しいかもしれませんが,具体的な数から一般化して計算することを学びましょう。

共通テストのような会話型の問題にも慣れておきましょう。

※誤植やミスを見つけた方は,ぜひお知らせください。

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