令和05年度(2023)久留米大学医学部推薦入試数学過去問の解説授業(1/4)

推薦入試

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この記事には,久留米大学医学部推薦入試過去問の詳しい解説が載っています。

過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

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令和05年度(2023)久留米大学医学部推薦入試数学[1]

まずは置き換えて,見やすい形にしよう

対数や三角関数が含まれている方程式は,うまく置き換えることで,シンプルな形の方程式にできることがあります。
そのままの形で解くのが難しいと感じた場合は,置き換えを検討しましょう。
真数条件より  \(~x>0.\) 
方程式\([a]\)より
\begin{align*}(\log_2x)^2-3|\log_2x|-\log_2x=\log_2x +k \\ (\log_2x)^2-3|\log_2x|-2\log_2x=k \end{align*}
\(\log_2x=t~\)とおくと \[ t^2-3|t|-2t=k  \quad \cdots [1] \]
絶対値記号が気になる人もいると思いますが,とりあえずそのままにして変形しましょう。
 
もちろん,\( t \geqq 0~\)と\(t < 0~\)で場合分けする必要はありますが,それは置き換えたあとにします。
 
また,以下のところは重要なところです。
 

\(\log_2x=t~\)より\(~x~\)と\(~t~\)は1対1に対応する。
したがって,\(x~\)についての方程式\([a]~\)の解の個数と\(~t~\)についての方程式\([1]~\)の解の個数は一致する。

今回の問題は\(~x~\)と\(~t~\)が1対1に対応していましたが,そうでない問題もあります。
例えば,\(t=\sin x, \quad 0 \leqq x \leqq \pi~\)と置いたとき,\(0 \leqq t <1~\)を満たす\(~t~\)の値一つに対して,\(x~\)の値は2個存在します。
文字を置き換えたときは,必ずその対応関係を確認しましょう。
 
 \(k=6~\)とする。         
(i) \(t \geqq 0~\)のとき,\([1]\)より
\begin{align*}  t^2-5t-6= & 0 \\ 
(t+1)(t-6)= & 0 \\
t= & 6 \quad (\because t \geqq 0) \\ 
\log_{2}x= & 6 \\ 
x= & 2^6=64 \end{align*}
 (ii) \(t < 0\)のとき,\([1]\)より
\begin{align*}
 t^2+t-6= & 0 \\
 (t+3)(t-2)= & 0 \\
t= & -3 \quad (\because t < 0) \\
  \log_{2}x= & -3 \\
    x= & 2^{-3}=\dfrac{1}{8}
 \end{align*}

 以上より,\(x=\dfrac18,~64 \quad \cdots \text{(答)}\)

 
ここは丁寧に場合分けすれば,問題なくできると思います。
 

グラフを利用することで,方程式の実数解を視覚的に捉えよう

(1)までは,ただ置き換えて場合分けすれば解くことができますが,(2)以降はそれだけではわかりにくいと思います。
そんなときはグラフを使いましょう。
 
 \(f(t)=t^2-3|t|-2t~\)とおく。
 \(x~\)についての方程式\([a]~\)の実数解が1個となるための条件は,\(t~\)についての方程式\([1]~\)の実数解が1個となることであり,すなわち\(~y=f(t)~\)のグラフと\(~y=k~\)のグラフが共有点を1個だけもつことである。
             \(y=f(t)=\begin{cases} t^2-5t & (t \geqq 0) \\ t^2+t & (t < 0)\end{cases}\)
のグラフは図のとおり。

       
  したがって,方程式\([a]~\)の実数解が1個となるような\(~k~\)の値は
\[~k=-\dfrac{25}{4}. \quad \cdots \text{(答)}\] 
  このとき,\( t=\dfrac52\)より
   \begin{align*}
                \log _2 x = \dfrac52 \\
                x= 2^{\frac52} =4\sqrt2 \quad \cdots \text{(答)}
      \end{align*}

\(x~\)と\(~t~\)が1対1に対応しているから,\(x~\)についての方程式\([a]~\)の実数解が1個となることと,\(t~\)についての方程式\([1]~\)の実数解が1個となることが同値となります。
さらにそれは,\(y=f(t)~\)のグラフと\(~y=k~\)のグラフが共有点を1個だけもつことと同値となります。
\(t~\)についての方程式\([1]~\)は,左辺と右辺をそれぞれグラフにして,連立している形になっていることからわかると思います。
 

\(x=\alpha~\)ならば,\(t~\)はどうなる?

(3)の前半は,異なる実数解が4個となるときの\(~k~\)の値の範囲を調べればいいので,(2)と同じようにグラフを用いればOK。問題は後半です。
 
   \(x~\)についての方程式\([a]~\)の異なる実数解が4個となる条件は,\(t~\)についての方程式\([1]~\)の異なる実数解が4個となることであり,すなわち\(~y=f(t)~\)のグラフと\(~y=k~\)のグラフが共有点を4個もつことである。
  グラフより,求める\(~k~\)の値の範囲は
\[-\dfrac14 < k < 0. \quad \cdots \text{(答)}\] 
  ここで,方程式\([a]~\)の異なる4実数解\(~\alpha , ~ \beta , ~ \gamma , ~ \delta~\)を\(~\alpha < \beta < \gamma < \delta ~\)としても一般性を失わない。このとき,\(t~\)についての方程式\([1]~\)の異なる4つの実数解は,
 \[ \log_2\alpha ,~\log_2\beta , ~\log_2\gamma , ~ \log_2\delta~\quad (\log_2\alpha < \log_2\beta < \log_2\gamma < \log_2\delta ) \]
である。グラフより,\(\log_2\alpha, ~\log_2\beta~\)は\(~t^2+t-k = 0~\)の解であり,\(\log_2\gamma, ~\log_2\delta~\)は\(~t^2-5t-k=0~\)の解である。解と係数の関係より
 \begin{align*}
  \begin{cases}
 \log_2\alpha +\log_2\beta &=-1 \\
   \log_2\gamma +\log_2\delta &=5 
 \end{cases}
 \end{align*}
    よって
   \begin{align*}
   \left( \log_2\alpha +\log_2\beta \right) + \left( \log_2\gamma +\log_2\delta \right) = & (-1)+5 \\ 
    \log_2{\alpha \beta \gamma \delta} = & 4 \\
   \alpha \beta \gamma \delta = & 2^4 =16 \quad \cdots \text{(答)}
    \end{align*}

 
\(x=\alpha~\)に対応している\(~t~\)は何か,すぐわかりますか?
\(t=\log_2 x~\)と置き換えたのですから,\(x=\alpha~\)に対応するのは\(~t=\log_2 \alpha~\)です。
ということは,\(y=f(t)~\)のグラフと\(~y=k~\)のグラフの共有点の\(~t~\)座標の一つが,\(\log_2\alpha~\)ということになります。
ここを曖昧にして,深く考えない人は,グラフの\(~t~\)軸に\(~\alpha~\)と書いたりすることがあります。注意しましょう。

ここさえ理解できればあとは簡単です。
\(x~\)についての方程式\([a]~\)の異なる4実数解\(~\alpha ,~\beta,~ \gamma,~ \delta~\)を\(~\alpha < \beta < \gamma < \delta ~\)とすると,\(t~\)についての方程式\([1]\)の異なる4つの実数解は,
 \[ \log_2\alpha,~\log_2\beta,~\log_2\gamma,~\log_2\delta~\quad (\log_2\alpha < \log_2\beta < \log_2\gamma < \log_2\delta )\]
となります。
このうち,\(\log_2\alpha, ~\log_2\beta~\)は\(~t^2+t-k = 0~\)の解であり,\(\log_2\gamma, ~\log_2\delta~\)は\(~t^2-5t-k=0~\)の解であることを,グラフから読み取りましょう。
あとは解と係数の関係を使って\(~ \log_2\alpha +\log_2\beta =-1,~ \log_2\gamma +\log_2\delta =5 ~\)を求め,2式を足し合わせると答えが出ます。
\(\alpha \beta \gamma \delta~\)を求めるためには,\(\log_2\alpha +\log_2\beta +\log_2\gamma +\log_2\delta ~\)を求めればよいことに気付きましょう。

この問題のポイント

振り返ってみましょう。

この問題が解けるかどうかのポイントは、

  1. 置き換えを用いて方程式をシンプルな形にできるか
  2. 絶対値の場合分けができるか
  3. 方程式の実数解の個数を,グラフを用いて調べることができるか   
  4.  \(x~\)と\(~t~\)の対応をきちんと考えているか

といったところです。特にグラフを使うという発想と,置き換えたときの対応関係に注意しましょう。

※誤植やミスを見つけた方は,ぜひお知らせください。

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