過去問を利用して、久留米大学医学部推薦入試の数学について学びましょう。 令和06年度入試では全部で5問出題されました。 そのうちの2番について、問題と解答を以下にまとめています。 さらに詳しい解説授業は、別の記事にしています。
令和06年度(2024)推薦入試[2]
問題
\(\boxed{ 0 }\)から\(\boxed{ 10 }\)まで順に数字がついたマスがある。\(\boxed{ 0 }\)のマスを「スタート」としてコマを置き,1回の試行では,サイコロを1個投げ,出た目の数だけコマを進める。止まったマスで続けて次の試行を行い,\(\boxed{ 10 }\)のマスまでは,コマは常に数の大きいマスの方へと進む。\(\boxed{ 10 }\)のマスをこえた分は,コマは数の小さいマスの方へ後戻りするものとする。例えば,\(\boxed{ 8 }\)のマスで出た目の数が\(4\)で,さらにその次の試行で\(2\)が出た場合,コマは
\[
\boxed{ 8 } \rightarrow \boxed{ 9 } \rightarrow \boxed{ 10 } \rightarrow \boxed{ 9 } \rightarrow \boxed{ 8 } \rightarrow \boxed{ 9 } \rightarrow \boxed{ 10 }
\]
と進む。コマがちょうど\(\boxed{ 10 }\)のマスに止まるとこの試行は終わるものとする。ただし,この試行で使用するサイコロは6面で,どの面も等しい確率で出るものとする。
- 「スタート」から出発して,2回目の試行で終わる確率は\(\boxed{\Large\phantom{ppppp}}\)である。
- 「スタート」から出発して,3回目の試行で終わる確率は\(\boxed{\Large\phantom{ppppp}}\)である。
- 「スタート」から出発して,3回目の試行で終わったとき,途中で後戻りしていない条件付き確率は\(\boxed{\Large\phantom{ppppp}}\)である。
- \(\boxed{ 5 }\)に止まったら「スタート」に戻るという規則を付け加えたとき,3回目の試行で終わる確率は\(\boxed{\Large\phantom{ppppp}}\)である。
- 試行を4回行い,途中で2回後戻りして試行が終わる確率は\(\boxed{\Large\phantom{ppppp}}\)である。
久留米推薦(令和06年度入試)
解答
\(k\)回目のサイコロの目を\(a_k\)とする。
- サイコロを2回振ったときのすべての目の出方は\(6^2\)通りであり,そのうち2回目の試行で終わるのは
\[
(a_1,~a_2)=(4,~6),~(5,~5),~(6,~4)
\]
の3通りである。よって,2回目の試行で終わる確率は
\[
\frac{3}{6^2}=\frac{1}{12} \quad \text{(答)}
\] - サイコロを3回振ったときのすべての目の出方は\(6^3\)通りであり,そのうち3回目の試行で終わるのは,次の2パターンがある。
[1] \(a_1+a_2+a_3=10\)のとき
和が10となるサイコロの目の組み合わせは
\[
\{1,~3,~6\},~\{1,~4,~5\},~\{2,~2,~6\},~\{2,~3,~5\},~\{2,~4,~4\},~\{3,~3,~4\}
\]
目の出る順序を考慮して
\[
3!+3!+3+3!+3+3=27\ \text{(通り)}
\]
[2] \(a_1+a_2 >10\)のとき
\[
(a_1,~a_2,~a_3)=(5,~6,~1),~(6,~5,~1),~(6,~6,~2)
\]
の3通り。
よって[1][2]より,3回目の試行で終わる確率は
\[
\frac{27+3}{6^3}=\frac{5}{36} \quad \text{(答)}
\] - (2)より,3回目の試行で終わったときに,後戻りをしていない条件付き確率は
\[
\frac{27}{27+3}=\frac{9}{10} \quad \text{(答)}
\] - 2回目に\(\boxed{5}\)のマスに止まると,3回目で試行が終わることはない。したがって,3回目の試行で終わるのは,次の3パターンがある。 (i) \(a_1 \ne 5~\)かつ\(~a_1+a_2 \ne 5~\)かつ\(~a_1+a_2+a_3=10~\)のとき<br>
和が10となるサイコロの目の組み合わせ
\[
\{1,~3,~6\},~\{1,~4,~5\},~\{2,~2,~6\},~\{2,~3,~5\},~\{2,~4,~4\},~\{3,~3,~4\}
\]
のうち目の出る順序を考慮して条件を満たすものは
\[
3!+2+3+2+3+3=19\ \text{(通り)}
\]
(ii) \(a_1 \ne 5~\)かつ\(~a_1+a_2>10~\)のとき
\[
(a_1,~a_2,~a_3)=(6,~5,~1),~(6,~6,~2)
\]
の2通り。
(iii) \(a_1=5~ \text{かつ} ~a_2 \ne 5 ~\text{かつ} ~a_2+a_3=10~ \)のとき
\[
(a_1,~a_2,~a_3)=(5,~4,~6),~(5,~6,~4)
\]
の2通り。
したがって(i)〜(iii)より,求める確率は
\[
\frac{19+2+2}{6^3}=\frac{23}{216} \quad \text{(答)}
\] - 4回の試行で途中2回後戻りして試行が終わるとき,2回目と3回目で後戻りすることになる。それは次の2パターンである。
(#1) \((a_1,~a_2)=(5,~6),~(6,~5)\)のとき
\[
(a_3,~a_4)=(2,~1),~(3,~2),~(4,~3),~(5,~4),~(6,~5)
\]
であるから,\(5 \times 2 =10\)通り。
(#2) \((a_1,~a_2)=(6,~6)\)のとき
\[
(a_3,~a_4)=(3,~1),~(4,~2),~(5,~3),~(6,~4)
\]
の\(4\)通り。
したがって(#1)(#2)より,求める確率は
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