平成31年度(2019)久留米大学医学部推薦入試数学過去問の解説授業(5/5)

過去問で学ぶ推薦入試数学

この記事には,久留米大学医学部推薦入試過去問の詳しい解説が載っています。

過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

平成31年度(2019)久留米大学医学部推薦入試数学[5]

毎年のように出題される平面ベクトル!さらに存在領域も

数年分の過去問を遡れば,平面ベクトルの問題が毎年のように出題されていることに気づきます。しかも,領域と絡めた問題も多く,今回の問題も存在領域の問題です。

ただ,この問題の三角形はいわゆる有名角の直角三角形であり,存在領域にしても教科書レベルの問題なので,易しい問題だと言っていいでしょう。

  1. \begin{align*} \vec{a}\cdot \vec{b}&=|\vec{a}||\vec{b}|\cos{30^{\circ}} \\ &=\sqrt3 \cdot 2 \cdot \frac{\sqrt3}{2} \\ &=3 \quad \cdots \text{(答)} \end{align*}
  2. \begin{align*} |\vec{b}-\vec{a}|^2&=|\vec{b}|^2-2\vec{b}\cdot\vec{a}+|\vec{a}|^2 \\ &=2^2-2\cdot 3 +\left( \sqrt3 \right)^2 \\ &=1 \\ \therefore \quad |\vec{b}-\vec{a}|&=1 \qquad \cdots \text{(答)} \end{align*}

内積は「定義を利用する」「成分を用いて計算する」「絶対値を二乗する」などで計算することができます。(1)(2)はすぐに計算できるようになりましょう。

基準となるベクトルを変更する

3点\(\rm{O}\)\(,~\)\(\rm{A}\)\(,~\)\(\rm{B}\)\(~\)を,\(\vec{\rm{OA}}=\vec{a},~\vec{\rm{OB}}=\vec{b}~\)となるようにとると,三角形OABは\(\angle{OAB}=90^{\circ},~\rm{OA}=\sqrt3,~\rm{AB}=1~\)の直角三角形である。

さらに点\(\rm{A}\)’\(,~\)\(\rm{B}\)’を,\(\rm{OA}’=2\rm{OA},~\rm{OB}’=2\rm{OB}~\)となるようにとると,条件を満たす点Pの存在範囲は,三角形\(\rm{OA’B’}\)の辺上および内部である。

したがって求める面積は

\begin{align*} \triangle{OA’B’}&=\frac12\cdot \rm{OA’}\cdot \rm{AB’} \\ &=\frac12\cdot 2\sqrt3 \cdot 2 \\ &=2\sqrt3 \qquad \cdots \text{(答)} \end{align*}

ここは,よくわからない人もいるかもしれませんので,解説しておきましょう。

\(s \geqq 0,~t \geqq 0,~s+t \leqq 1~\)のとき,\(\vec{p}=s \vec{a}+t \vec{b}~\)で定められる点P\((\vec{p})\)の存在範囲が\(\triangle{OAB}\)の周上および内部であることは知っているでしょう。では,\(s \geqq 0,~t \geqq 0,~s+t \leqq 2~\)のときはどう考えればいいのでしょうか。

これは,「基準となるベクトルを変更する」と考えればいいのです。

平面上の点を表すのには,(互いに一次独立である)2つの基準ベクトルが必要です。その基準ベクトルは,自由に設定することができます。

そこで,点Pの位置を表すベクトル方程式を\(\vec{p}=\frac12 s \left( 2\vec{a} \right) +\frac12 t \left( 2\vec{b} \right)~\)と変形します。これは,もともと基準となるベクトルが\(~\vec{a},~\vec{b}~\)だったものを,\(2\vec{a},~2\vec{b}~\)に変更したことになります。

なぜこのように変形したかというと,\(s,~t~\)の条件式\(~s \geqq 0,~t \geqq 0,~s+t \leqq 2~\)を\(~s \geqq 0,~t \geqq 0,~\frac12 s+ \frac12 t \leqq 1~\)とできるからです。

新しい基準ベクトル\(~2\vec{a},~2\vec{b}~\)が表す点を\(\rm{A’},\rm{B’}\)とすれば,点Pの存在範囲が三角形\(\triangle{\rm{OA’B’}}\)であることがわかります。計算は容易ですね。

この解法,何となく覚えている人もいると思います。「基準となるベクトルを変更している」ことに気づけば,もう間違うことは無いと思います。ぜひ完答しましょう。

また,\(\vec{a},~\vec{b}~\)で張られた斜交座標を設定すれば,不等式が表す領域の問題として解くこともできます。

この問題のポイント

振り返ってみましょう。

この問題のポイントは、

  1. 内積などの基本計算ができる
  2. 基準ベクトルを変更して存在領域を求めることができるか
  3. 斜交座標を利用して解くことができるか
といったところです。できれば両方の解法に精通してください。

※誤植やミスを見つけた方は,ぜひお知らせください。

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