平成29年度(2017)久留米大学医学部推薦入試数学過去問の解説授業(2/5)

過去問で学ぶ推薦入試数学

この記事には,久留米大学医学部の過去問の詳しい解説が載っています。過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

平成29年度(2017)久留米大学医学部推薦入試数学[2]

君は考えたことがあるか?3次方程式の解について

この問題は、実数係数の3次方程式の解についての問題です。

実数係数の3次方程式が出題されたときに、解が実数解なのか虚数解なのか、あなたは考えていますか?

様々な出題パターンはありますが、方程式だから解について問われるはずです。そこで押さえておきたいことは、解についてです。実数係数の3次方程式の解は、次のパターンしかありません。

  • 実数解を3個持つ(重解を含む)
  • 実数解を1個、2つの虚数解(互いに共役)を持つ

今回の問題を見れば、おそらく2のパターンであることが予想できますが、どちらにしても、少なくとも1個は実数解です。

ではその実数解は何でしょうか。

泥臭い!?代入して求める高次方程式の実数解

高次方程式の解を求めるときは、基本的に代入して探す、という泥臭い作業をしなければなりません。

では何を代入すれば解が分かるでしょうか。

何かしらの数を代入して解を探す入試問題が出題された場合、\(~\pm 1, \ \pm 2, \ \pm3 \ \)の6個のうちのいずれかであることがほとんどです。これ以外の数が答となることはなかなか見当たりません。

ところが、これが久留米の問題の嫌らしいところなのですが、この方程式の実数解は4です。3まで代入して諦めた人は、あと一つ代入すればよかったのです。

虚数解を求めるのは簡単

\(z=4~\)は方程式の実数解であるから,方程式の左辺は\(~z-4~\)で割り切れる。 \[ \begin{align*} (z-4)(z^2+z+6)=0 \\ ∴ z=4, \ \frac{-1 \pm \sqrt{23}i}{2} \end{align*} \]

真面目に計算すると損をする!?割り算してから代入しよう

\( ~z=4~ \)さえ見つければ、因数分解した上で虚数解を求めることも難しくはないでしょう。このあと、\(~z^5-39z^2-54z-160~\)の実部を調べるために、\(z=4 \ \)のときと\(~z=\frac{-1 \pm \sqrt{23}i}{2}~\)のときについて計算することで、実部を比較することになります。

次のポイントは、\(~z=\frac{-1 \pm \sqrt{23}i}{2}~\)のとき,\(~z^5-39z^2-54z-160~\)をどうやって計算するか、です。もちろん代入すれば答えは出ますが、計算が面倒くさいことは目に見えています。 そこで使って欲しいのは、「割り算してから代入する」計算方法です。

\(~z=4~\)のとき, \[ \begin{align*} z^5-39z^2-54z-160=&4^5-39\cdot 4^2-54 \cdot 4-160 \\ =&24 \end{align*} \] \(~z=\frac{-1 \pm \sqrt{23}i}{2}~\)のとき,\(~z^2+z+6=0~\)であるから \[ \begin{align*} z^5-39z^2-54z-160=&(z^2+z+6)(z^3-z^2-5z-28)+4z+8 \\ =&4z+8 \\ =&4 \cdot \frac{-1 \pm \sqrt{23}i}{2} +8 \\ =&6 \pm 2\sqrt{23}i \end{align*} \]

解答を見て、\(z^5-39z^2-54z-160~\)を\( ~(z^2+z+6)~ \)で割っていることがわかるでしょうか。 これは、\(~z=\frac{-1 \pm \sqrt{23}i}{2}~\)を代入したときに0となる\( ~(z^2+z+6)~ \)で割っておくことで、代入したときに式が簡単になるように工夫しているのです。その結果は、2次式で割っているので、余りは高々1次式となります。 前もって割り算さえしていれば、実際に計算するのは最後の1次式のみ。これならば計算ミスもほとんどないでしょう。

計算から解放される!?もう3乗、4乗なんてしなくてもいい

この、「割り算してから代入する」計算方法は汎用性が高く、いろいろな場面で使えるものです。 この解法を授業で解説するとき、私はこんなことを言っています。 「この解法を知った君たちは、もう複雑な数の3乗や4乗を計算する必要はないのだよ。割り算をしてから計算すれば、必ず1次式になるのだから」 この解法がいかに重要か、を印象づけているつもりです。 あなたも今後、いろいろなところで使いましょう。

この問題のポイント

振り返ってみましょう。

この問題が解けるかどうかのポイントは、

  1. 3次方程式の解について考え、\( z=4~ \)が実数解であることを見つけることができる。
  2. 複雑な値を代入する前に、割り算しておくことに気付くことができる。

の2点です。計算面倒くさいなあ、と思ったら、割ってから代入することを考えて下さい。

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