平成30年度(2018)久留米大学医学部推薦入試数学過去問の解説授業(2/5)

過去問で学ぶ推薦入試数学

[mathjax]

この記事には,久留米大学医学部の過去問の詳しい解説が載っています。過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

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平成30年度(2018)久留米大学医学部推薦入試数学[2]

 絶対値を含んだ方程式

絶対値を含んだ方程式の中でも,最も基本的な形です。30秒でクリアしましょう。

(1)\( \quad \) \(|5x-3|=2\)より \begin{align*} 5x-3&=\pm2 \\ 5x&=1,~5 \\ x&=\displaystyle \frac15,~1 \quad \cdots \text{(答)} \end{align*}  

絶対値を含んだ方程式は,場合分けして解くのが原則です。しかしこの問題のように,左辺が絶対値記号で,右辺が定数であるものは,上のように解きましょう。

方程式の解が,\( y=|5x-3|~\)と\(~y=2~\)のグラフの共有点の\(~x~\)座標と一致することも大切なことです。理解しておきましょう。

 

対数方程式は真数条件を忘れずに

(2) \begin{align*} \log_{10}(x^2-5x+6)+\log_{0.1}(x-1)=\log_{10}3 \quad \cdots [1] \end{align*}

\( \quad \) 真数条件より

\begin{align*} x^2-5x+6 \gt 0,~\text{かつ}~~x-1 \gt 0 \\ (x-2)(x-3) \gt 0,~\text{かつ}~~x \gt 1 \\ \therefore 1 \lt x \lt 2,~3 \lt x \quad \cdots [2] \end{align*} \( \quad \)[1]より \begin{align*} \log_{10}(x^2-5x+6)+\displaystyle \frac {\log_{10}(x-1)}{\log_{10}10^{-1}}&=\log_{10}3 \\ \log_{10}(x^2-5x+6)-\log_{10}(x-1)&=\log_{10}3 \\ \log_{10}(x^2-5x+6)&=\log_{10}3(x-1) \\ x^2-5x+6&=3(x-1) \\ x^2-8x+9&=0 \\ x&=4 \pm \sqrt7 \end{align*} \( \quad \)これらは条件[1]を満たす。 したがって,\(x=4 \pm \sqrt7 \quad \cdots \text{(答)}\)

対数方程式を解く基本的な手順は,

  1. 真数条件と底の条件を確認する
  2. 底をそろえる
  3. 対数法則を用いる

です。真数条件を忘れる人がいますので,答えが出ても安心せずに,条件を満たしているかどうか確認しましょう。また,真数条件や底の条件がやや面倒な形の場合があります。その場合は,最後に代入して確認する手もあります。臨機応変に対応しましょう。

最後のところ,二次方程式\(~x^2-8x+9=0~\)を解くところで,うっかりして以下のようなミスをする人がいます。

\begin{align*} (x+1)(x-9)&=0 \quad \therefore x=-1,~9 \\ (x-1)(x-9)&=0 \quad \therefore x=1,~9 \end{align*}

どちらも因数分解のミスです。メインの解法があっていても,こういう簡単なところでミスをしてしまう人は意外と多いです。注意しましょう。

この問題のポイント

振り返ってみましょう。

この問題が解けるかどうかのポイントは、

  • 絶対値を含んだ方程式を,適切な解法で解けるか
  • 対数方程式を正しい手順で解けるか
  • 今回の問題はとても易しい問題でした。

    ただ,いつもこんなに易しい問題ばかりではありません。

    正しい手順で解くことで,難しい問題にもミスなく対処することができます。自分の解き方を再確認しておきましょう。

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