平成30年度(2018)久留米大学医学部一般入試数学過去問の解説授業(4/6)

過去問で学ぶ一般入試数学

[mathjax]

この記事には,久留米大学医学部一般入試過去問の詳しい解説が載っています。過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!

解答はすでにこちらの記事で示しております。

Sponsored Link




平成30年度(2018)久留米大学医学部一般入試数学[4]

式を立てることは簡単だけど・・・

ガラス板1枚を通過したとき、光の強さがx倍になるとすると,式を立てることは簡単です。

単位をパーセントにするために,最後に100をかけることを忘れないようにしましょう。

  1. 光が1枚のガラスを通過すると,光の強さが x 倍になるとする。8枚通過すると光の強さが0.8倍になるので x8=0.8x=(810)18=458 したがって,458×100[%](答)

一応答えは出ましたが・・・受験生はこの答えで安心できるでしょうか?

私たちは通常,パーセントを利用するとき,整数を基本に小数点以下1桁くらいまでの数字を使います。

「今日、雨降るかなあ?」

「ああ,たぶん降るよ。テレビで降水確率は572%って言ってたよ」

といった会話をしている人を見たことはありません。普通は80%と言います(572=80.6)

解答欄が「ppppp%」と書かれていたら,整数で答えようとするのではないでしょうか。

そうすると,対数を用いて概数を見積もるのかな?などと考えて時間を使ってしまうことになります。そんな受験生は少なくなかったはずです。

ですから,この出題の仕方は不親切であり,出題の仕方がよくないと思います。

問題文の解答欄を,例えば次のようにすれば問題はなかったはずです。

光の強さはガラスがないときの(45)a×100%となる。このとき,a=pppppである。

もう少し注意して問題作成をして欲しいところです。

対数の正負に注意しよう

(2)も式を立てることは難しくありません。ただ,途中で割り算をするところがあるので注意が必要です。

  1. このガラス板をn枚通過させると光の強さが10%以下になるとして式を立てると xn0.1(45)n8110n8log10810log10101n8log10810=813log102=82.4 したがって,83枚以上必要である。(答)

注意するのは3行目から4行目にかけてです。不等号の向きが変わっていますね。何故だかわかりますか?

ここでは,両辺に8log810をかけています。log810は負の数なので,不等号の向きが変わっているのです。

負の数をかけると不等号の向きが変わることは知っていても,その数が負の数かどうか確かめずに計算を進める人は多いです。「マイナスの符号がついているものが負の数だ」と勘違いしている人もいます。

言わずもがなですが,マイナスがついていなくても負の数,マイナスがついていても正の数,であるものはいくらでもあります。

計算を進めていくとき,どのようにして式変形をしているのか,常に意識しておきましょう。そして,その数が負の数かどうかも確かめる癖をつけておきましょう。

この問題のポイント

振り返ってみましょう。

この問題が解けるかどうかのポイントは、

  1. 指数の形で式を立てることができるか
  2. 対数を用いて不等式を解くことができるか
  3. log810が負の数であることに気付くことができるか

といったところです。

また,(1)で時間をとられず,割り切って(2)に進むことができたかどうかも,重要なポイントになったかもしれません。

久留米大学は問題作成が不親切だったり不備があったりしますので,そのことも頭の片隅に入れておきましょう。

 

※誤植やミスを見つけた方は,ぜひお知らせください。

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.
タイトルとURLをコピーしました