[mathjax]
この記事には,久留米大学医学部推薦入試過去問の詳しい解説が載っています。
過去問を通して久留米大学医学部の数学について学べるように,授業のような解説にしています。これまで勉強してきたことを整理し、あなたの数学力をレベルアップしましょう!
解答はすでにこちらの記事で示しております。
令和02年度(2020)久留米大学医学部推薦入試数学[1]
この問題における計算ミスは致命的
\(5+\sqrt3\)の整数部分と小数部分を求め,あとは計算するだけ。こんなサービス問題での計算ミスは致命的です。
ただ,人は意外とそういうところでミスをするものです。簡単だからと油断してしまうのでしょう。
問題の難易度にかかわらず,慌てず正確に答えを求めましょう。
値を覚えていない無理数にも対応しよう
今回の問題については,実数の無理数部分が\(\sqrt3\)でした。\(\sqrt3\)が\(1.732 \cdots \)であることは知っているでしょうから,整数部分も小数部分もすぐに求めることが出来ました。
では,値を覚えていない無理数だったらどのようにして整数部分・小数部分を求めればいいでしょうか。
これは少し注意する点があります。
以下に,例題とうまくいかない解答を示しますので,どこがおかしいか考えてみて下さい。
(例題)\(~3\sqrt{23}~\)の整数部分を求めよ。
(よくない解答)\(\sqrt{16}<\sqrt{23}<\sqrt{25}\)すなわち\(4<\sqrt{23}<5~\)であるから,
\begin{align*} 3\times 4<\sqrt{23}<3\times 5 \\ 12<\sqrt{23}<15 \end{align*}したがって\(~3\sqrt{23}~\)の整数部分は・・・\(12~?~13~?~14~?\)
何がいけなかったか,わかりますか?
途中の計算には問題はありません。ではどこに問題があったのか?
それは,3倍したところです。せっかく\(\sqrt{23}\)を4と5の間と狭い範囲に絞り込んでいたのに,3倍することで範囲も3倍に広がってしまったのです。
では正しい解答を見てみましょう。
\(3\sqrt{23}\)の\(3\)をルートの中に入れることで,3倍する必要がなくなりました。これで整数部分が求められます。
このように,整数部分を調べたいときは,かけ算をしないで大小関係を調べるようにしましょう。
この問題のポイント
振り返ってみましょう。
この問題が解けるかどうかのポイントは、
- 無理数の整数部分と小数部分を求めることができるか
- 式の変形・代入計算をミスなくできるか
- 値を覚えていない無理数でも対応できるか
といったところです。できなかったところがある人は,復習しておきましょう。
※誤植やミスを見つけた方は,ぜひお知らせください。