過去問を利用して、久留米大学医学部推薦入試の数学について学びましょう。 令和04年度入試では全部で5問出題されました。 そのうちの1番について、問題と解答を以下にまとめています。 さらに詳しい解説授業は、別の記事<にしています。
令和04年度(2022)推薦入試[1]
問題
- \( 0 \leqq x < 2 \pi ~\)のとき,方程式\( ~\sin x + \dfrac{\sqrt{3}}{3}\sin {2x}=1\)を満たす\(x\)をすべて記すと,\( x=\boxed{\Large\phantom{pppp}} \)である。
- \( 0 \leqq x < 2 \pi ,~0 \leqq y < 2 \pi ~\)のとき、連立方程式 \( \begin{cases} \sin x +\cos y =\dfrac{\sqrt{3}}{2} \\ \cos x +\sin y=\dfrac12 \end{cases} \) を満たす\( (x,~y) \)の組をすべて記すと,\( (x,~y)=\boxed{\Large\phantom{pppp}} \)である。
久留米推薦(令和04年度入試)
解答
- \( \sin x+ \frac{\sqrt{3}}{3}\sin {2x}=1 ~\)より
\begin{align*}
\sin x+ \frac{1}{\sqrt{3}}\cdot 2\sin {x} \cos x=1 \\
\sin x \cos x =\frac{\sqrt3}{2}(1-\sin x )
\end{align*}
\(\sin x=0\)とすると成り立たないので\(\sin x \neq 0.\) \\
両辺を\(\sin x\)で割って
\begin{align*}
\cos x =\frac{\sqrt3}{2}\cdot \frac{1-\sin x }{\sin x} ~ \cdots [1]
\end{align*}
\( \sin^2 x +\cos^2 x =1~\)に代入して
\begin{align*}
\sin^2 x +\left( \frac{\sqrt3}{2}\cdot \frac{1-\sin x }{\sin x} \right)^2=& 1 \\
\sin^2 x + \frac{3}{4}\cdot \frac{(1-\sin x)^2 }{\sin^2 x} =& 1 \\
4\sin^4 x +3(1-\sin x)^2 =& 4\sin^2 x \\
3(1-\sin x)^2-4\sin^2 x (1-\sin^2 x)=& 0 \\
(1-\sin x ) \left\{ 3(1-\sin x)-4\sin^2 x (1+\sin x ) \right\}=& 0 \\
(1-\sin x ) (-4\sin^3 x -4\sin^2 x -3\sin x +3 )=& 0 \\
(1-\sin x )(1-2\sin x )(2\sin^2 x +3\sin x +3 )=& 0
\end{align*}
\(2\sin^2 x +3\sin x +3 =0~\)を満たす実数\(~x~\)は存在しないので,\(\sin x = 1,~\frac12.\)
\( \sin x=1 \)のとき,[1]より\( \cos x=0. \)よって\( x=\frac{\pi}{2}.\)
\( \sin x=\frac12 \)のとき,[1]より\( \cos x=\frac{\sqrt3}{2}. \)よって\( x=\frac{\pi}{6}.\)
したがって,\( x=\frac{\pi}{6},~\frac{\pi}{2}. \cdots \text{(答)} \)
- \( \begin{cases}
\sin x + \cos y = \frac{\sqrt{3}}{2} \
\cos x + \sin y = \frac12
\end{cases} \)
より
\begin{align*}
\cos y=& \frac{\sqrt3}{2}-\sin x \cdots [2]\\
\sin y=& \frac12-\cos x \cdots [3]
\end{align*}
\( [2],~[3]\)を\( \sin^2 y +\cos^2 y =1 \)に代入して
\begin{align*}
\left( \frac12-\cos x \right)^2 +\left( \frac{\sqrt3}{2}-\sin x \right)^2=& 1 \\
1-\sqrt3 \sin x -\cos x =&0 \\
1-2\sin \left( x+\frac{\pi}{6} \right) =&0 \\
\sin \left( x+\frac{\pi}{6}\right) =& \frac12
\end{align*}
\( \frac{\pi}{6} \leqq x+\frac{\pi}{6} < \frac{13\pi}{6} \) より
\begin{align*}
x+\frac{\pi}{6} =& \frac{\pi}{6},~\frac{5\pi}{6} \\
x=& 0,~\frac{2\pi}{3}
\end{align*}
\( x=0 \)のとき,\([2],~[3]\)より\( \cos y=\frac{\sqrt3}{2},~\sin y=-\frac12.\)
\(0 \leqq y < 2\pi\) なので\( y=\frac{11\pi}{6}. \)
\( x=\frac{2\pi}{3} \)のとき,\([2],~[3]\)より\( \cos y=0,~\sin y=1.\)
\(0 \leqq y < 2\pi\) なので\( y=\frac{\pi}{2}. \)
したがって \( (x,~y)=\left( 0,~\frac{11\pi}{6} \right),~\left( \frac{2\pi}{3},~\frac{\pi}{2} \right) \cdots \text{(答)} \)
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